こんにちは!スコーンです。
今回は最近注目されてきているBIツールについて書いていきたいと思います!
本記事では、BIツールの機能やデータ分析の流れだけでなく、導入前に押さえておきたいポイントなども紹介していきます。
- BIツールってそもそもどんなもの?
- BIツールの導入を考えているけど、どうやって選べばいいのか分からない…
という方に読んでいただき、何かしらの役に立てたらうれしいです!
目次
○BIツールの種類と特徴
BIツールは「セルフサービス型BI」と「エンタープライズ型BI」の2つに大きく分けることができます。
どちらも「企業がデータを活用するためのツール」という部分では同じですが、セルフサービス型BIは操作が簡単で誰でも簡単にデータ分析ができ、エンタープライズ型BIは大規模なデータを統合・管理し、より高度な分析が得意という特徴があります。
このように、同じBIツールでもそれぞれ異なる特徴を持っているため、企業の規模や目的に応じて選択することが重要です。
・セルフサービスBI
セルフサービスBIは、IT部門のような専門的なスキルを持っている人に依存することなくユーザー自身がデータを分析できるツールです。
プログラミングスキルやデータベースの知識がなくても、直観的な操作でデータを分析できるようになっているのが特徴です。
これにより、営業やマーケティング・経営層などのIT部門以外のユーザーが直接データにアクセスして視覚的なダッシュボードやレポートを作成できるようになりました。
このような特徴から、中小企業での導入が進んできており、現在はセルフサービス型BIの方が主流になってきています。
種類 | 特徴 | 向いている企業 |
---|---|---|
セルフサービス型BI |
| 中小企業や、分析担当が限定されない部門 |
・エンタープライズBI
エンタープライズBIは、企業全体のデータを統合・管理し、組織全体でデータを活用できるツールです。
複数のデータソース(ERP、CRM、DWHなど)を統合し、全社レベルでデータを活用できる仕組みを構築できます。
エンタープライズBIは主に大規模な企業や組織向けに開発されており、IT部門やデータ分析チームが管理・運用を行い、企業のデータ基盤として使用されます。
種類 | 特徴 | 向いている企業 |
---|---|---|
エンタープライズ型BI |
| 大企業や複数部署での利用を想定する組織 |
○BIツールの仕組みとデータ分析の流れ
BIツールを活用してデータを分析し、ビジネスに役立てるプロセスは、大きく「データの収集・加工」「データの可視化」「データの分析」の3つに分けられます。
- データの収集・加工
- データの可視化
- データの分析
ここでは、Excelと比較しながら、BIツールの仕組みを解説していきます。
・データの収集・加工
Excelでは、まずデータを入力し、必要に応じてシートをコピー・統合します。その後、日付やカテゴリのフォーマットを統一し、不要なデータを整理して保存することで、分析の準備を整えます。
一方、BIツールでは、データベースに直接接続してデータを取得するか、ExcelやCSVファイルをアップロードし、自動でデータの変換や集計を行います。
これにより、手作業によるミスを削減し、データの整理や統合にかかる時間を大幅に短縮できます。また、リアルタイムデータの取り込みも可能なため、常に最新の情報を基に意思決定ができます。
Excel | BIツール |
---|---|
手動で入力、整形、統合 | データベースやCSVと接続、自動で加工・集計 |
フォーマット統一や不要データの削除が手間 | ミスを防ぎ、作業時間を短縮 |
・データの可視化
Excelでグラフを作成する際は、データの範囲を選択し、グラフの種類を指定することで視覚化できます。
BIツールでは、データの項目を選択するだけで、テンプレートを活用したグラフやチャートを簡単に作成できます。さらに、インタラクティブなダッシュボードの構築や、リアルタイムデータの更新にも対応。
Excelよりも直感的かつ柔軟にデータを可視化できるため、より深い洞察を得やすくなります。
- Excelではグラフを手動で作成
- BIツールではテンプレートやドラッグ&ドロップで簡単作成
- リアルタイム更新やインタラクティブなダッシュボードも作成可能
・データの分析
Excelでは、作成したグラフを基にデータの傾向を読み取ることができます。また、予測シートを活用すれば、将来のデータを推測したり、相関係数を算出してデータ間の関係性を分析することも可能です。
BIツールでは、AIを活用した予測分析やデータマイニング機能を搭載しており、専門知識がなくても高度な分析を直感的に行えます。データのパターンを自動で発見し、ビジネス上の意思決定をサポートするため、Excelよりも効率的にインサイトを得ることができます。
- Excelではグラフ分析や予測シートが中心
- BIツールではAI予測や相関分析も直感的に操作可能
- 専門知識がなくても高度な分析が可能
○BIツールの主な5つの機能
BIツールには、データの可視化や分析を効率化するさまざまな機能が搭載されています。
企業の意思決定を支援するために、多くのツールが高度な分析機能を備えていますが、特に重要なのがダッシュボード、レポーティング、OLAP分析、データマイニング、プランニングの5つの機能です。
機能 | 概要 |
---|---|
ダッシュボード | リアルタイムで指標や傾向を把握できる画面。グラフやチャートを自在に配置し、視覚的に情報を管理。 |
レポーティング | 定期的に必要なレポートを自動で生成。手作業でのレポート作成が不要になり、業務効率が大幅に向上。 |
OLAP分析 | 「売上 × 地域 × 商品」のように複数軸でデータを深掘り分析。ドリルダウンやスライスも簡単に実行。 |
データマイニング | AIや統計処理により、顧客の傾向や購買パターンなど隠れたルールを発見。 |
プランニング | 売上予測や予算編成、人員配置など、将来のシミュレーションにも対応。 |
これらを活用することで、企業はデータを迅速に分析し、適切な経営判断を行うことが可能になります。
・ダッシュボード
BIツールのダッシュボードは、リアルタイムでデータを可視化し、意思決定をサポートする重要な機能です。
データのグラフ化やKPIのモニタリングを行い、ビジネスの現状を直感的に把握できます。また、不要なデータを適宜フィルタリングし、必要な情報だけを表示することも可能です。
これにより、ユーザーは煩雑なデータの中から本当に重要な指標を見極め、素早くアクションを取ることができます。ドラッグ&ドロップでのカスタマイズや、複数のデータソースとの連携機能を備えているため、経営者から現場担当者まで幅広く活用されています。
・レポーティング
BIツールのレポーティング機能は、膨大なデータを自動で集計・整理し、視覚的にわかりやすいレポートとして出力する機能です。経営者やマネージャーは、売上推移や市場動向の分析レポートを基に戦略立案ができます。
定期的なレポートの自動生成機能を活用すれば、月次・週次の報告作業を効率化し、業務負担を軽減できます。フォーマットも柔軟にカスタマイズできるため、組織のニーズに合わせたレポート作成が可能です。
・OLAP分析
OLAP(Online Analytical Processing)分析とは、多次元的にデータを分析・整理し、特定の切り口で集計する機能です。これにより、売上や顧客データを「時間軸」「地域」「商品カテゴリ」など複数の視点で分析できます。例えば、特定の地域における売上推移を調べたり、季節ごとの購買トレンドを比較したりすることが可能です。
OLAP分析では、ドリルダウン(詳細データの掘り下げ)やスライシング(特定条件の絞り込み)、ダイシング(複数の視点での分析)といった手法を活用し、意思決定をサポートします。
・データマイニング
データマイニングは、AIや統計的手法を活用して大量のデータからパターンや相関関係を発見する機能です。BIツールでは、売上の傾向分析、顧客の購買行動の解析、不正検出などに活用されます。例えば、過去の購買履歴を分析し、どの顧客が今後どの商品を購入する可能性が高いかを予測できます。
また、異常検知機能を用いれば、不正取引や売上の異常変動を自動で検出し、迅速な対応を促すことが可能です。これにより、データから新たなビジネスチャンスやリスクを発見し、戦略立案に役立てることができます。
・プランニング
BIツールのプランニング機能は、過去のデータや市場動向をもとに、将来のシナリオを予測し、意思決定を支援する機能です。例えば、売上予測を基に在庫管理や生産計画を最適化したり、人員配置のシミュレーションを行ったりできます。特に、財務計画やマーケティング戦略の策定に役立ち、収益最大化やコスト削減の意思決定をサポートします。
また、シナリオ分析機能を活用すれば、複数の仮説に基づいた戦略をシミュレーションし、最適な計画を選択できます。企業の将来戦略をデータドリブンで設計するために不可欠な機能です。
○BIツールの選び方
BIツールを導入する際には、自社の業務に適したものを選ぶことが重要です。さまざまなツールが市場に存在するため、適切な選定基準を持たずに選んでしまうと、機能が不足していたり、導入後に運用が難しくなったりする可能性があります。ここでは、BIツールを選ぶ際にチェックすべき重要なポイントを紹介します。
・費用感や予算感はマッチしているか
BIツールには、無料のオープンソース型から高額なエンタープライズ向けまでさまざまな価格帯があります。初期導入費用、ライセンス料、運用コストなどを総合的に考え、自社の予算に合ったツールを選びましょう。また、サブスクリプション型と買い切り型の違いも理解し、長期的な視点でコストを比較することが重要です。
- 無料~高額ツールまで幅広い価格帯
- サブスクリプション型 or 買い切り型の違いを確認
・自社に必要な機能が網羅されているか
BIツールには、ダッシュボード作成、レポーティング、AI分析、データマイニングなど、多種多様な機能が搭載されています。自社のデータ分析ニーズに合った機能が揃っているかを事前に確認しましょう。また、将来的な業務拡大を考慮し、拡張性のあるツールを選ぶのも重要です。
- ダッシュボード、レポート、AI分析などの有無
- 将来的な業務拡大も見据えて拡張性を確認
・環境構築のサポートが充実しているか
BIツールの導入には、データの取り込み設定や初期のシステム構築が必要です。特にITリソースが限られている企業では、導入支援やサポート体制が充実しているかを確認すると安心です。オンラインマニュアルの充実度や、ベンダーによるトレーニングの有無も重要なポイントです。
- 導入支援サービスやオンラインマニュアルの有無
- トレーニングやベンダーの対応範囲
・外部システムとの連携や統合は可能か
BIツールを最大限活用するには、既存の業務システムやデータベースと連携できるかが鍵となります。ERP、CRM、会計システム、クラウドストレージなどとスムーズにデータ連携ができるかを事前に確認しましょう。APIの提供状況や、データフォーマットの互換性もチェックポイントです。
- ERP、CRM、会計システムなどと連携可能か
- API対応状況、データ形式の互換性を確認
○まとめ
BIツールは、企業のデータ分析を効率化し、意思決定を支援する重要なツールです。セルフサービス型BIは中小企業に、エンタープライズ型BIは大規模企業に適しており、それぞれの特徴を理解した上で選ぶことが大切です。BIツールを導入する際は、費用感や必要な機能、サポート体制、外部システムとの連携を事前に確認し、自社に最適なツールを選定しましょう。